放射線量測定について

NaI(Tl)シンチレーション製作編

光電子倍増管(中国)→光電子増倍管(日本) という事がわかりました。


現在製作に取り掛かっている
NaI(ヨウ化ナトリウム結晶)シンチレーターです。50mm径あります。
光電子増倍管(写真左)は、眺めているだけでもうっとりするほど 綺麗です。
友人ルートで入手した物で、作動確認とテスト数値も記載してあります。
BGで 約3300CPM程度あるよとの事なので 大型GM管より 約8倍ぐらい感度良い


右側のアルミケースに入った透明のものが ヨウ化ナトリウム(NaI) で、屈性率が大きく底の部分が手前に見えます。
当初、ガラスで蓋をしてあると思っていたら・・・結晶そのものでした。あまりにも綺麗に磨かれていてわからなかったですね。
底の白いのは、白色塗装され、中で発光した光を反射させるためとのことです。
左側の光電子増倍管は、職人さんが1個1個手作りで作業するそうで正規ルートだと6から8万円とのことで、びっくり
ラベルに110930なる文字が、これって2011年09月30日製造?? 自分の日付データ設定と同じ

12段増幅で 1250Vの予定です。 各段(写真で縦に見える格子)104Vですかね 数万倍に光信号を増幅します。
生かすも殺すも 回路次第・・・・うーーん楽しみ

受光部は、四角い部分

こんな感じかね
シリコンオイルで密着させて使用します。
なぜシリコンオイルか・・・シリコンの成分は 珪素なので、ガラスとの屈折率が 近いためとのことです。
ちなみに・・・ガラスの成分知ってますよね? ・・・まさか
珪素の記号は Si =シリコン

組み立てた後は、見ることが困難な部分です。写真に撮って保存しておきます。

ちなみに、光電子増倍管は浜松フォトニクスの中国工場製です。
NaIシンチレーターは、中国製(両方とも友人ルートより入手)


シンチレーターと光電子増倍管の組み合わせと GM管の違いは 簡単に説明すると アナログとデジタルの違いです。
デジタルと聞くと何となく 高性能と思われると思いますが、デジタルの場合、0と1のみのデータとなり、放射線が入ったか入っていないかしかわかりません。
アナログの場合、どのくらいの強さの放射線が入ったかと、強弱(放射線のエネルギー)がわかり、その強さ加減で、核質が分かってきます。

身長に例えれば、160cmが セシウム君だとして、150cmがヨウ素ちゃんとして 
学校のグラウンドで 「身長順に整列してください」
次に「じゃね 同じ身長の子は縦に並んで 整列・・・ピッ」
「うんうん・・・ヨウ素ちゃんは、20人いるね」
「セシウム君は5人か」
てな感じでグラフにすると、よくTVで映る画面になりますね。

デジタルだと 全員が170cmという訳です。


NaIシンチレーターの作成

高電圧ユニットを作りました。
高電圧部分は、中国製で 入力は12V で出力は 1250V程度まで
バッテリーなどで電圧を自由に使えるように 12V出力のDDコンバーターを追加しています。
これで3.6から9V程度までの電源が使えます。これでポータブルはバッテリー 家では USBから電源供給

アサヒペンの塗装スプレー管2本を使ったNaIホルダーと NaIユニットと仮止めした光電子増倍管  自分でも汚らしいと思います。
スプレー缶の頭のくびれた部分を少し残してカット(右)して周囲をサンドペーパーで塗装面を削り落として使いました。
ストレート部分でカットした缶(左)に1箇所切り込みを入りて思いっきり押し込むと、うまい具合に隙間無く接続・・・やった

配線です。 とりあえず、1MΩで 各セルに配分・・・コンデンサーは、なんと耐圧が 50V ・・・やぱい
後日、悩まされた部分です。現在は コンデンサーと抵抗を変更してあります。
ジャンク品から宝探しです。・・・・買ってくればいいのにね 

テスト運転開始・・・ドキドキ

出ました。シンチレーション波形 

画像は汚いです。
オシロは そういえば、数十年 画面を拭いてなかった。 写真に撮るとよく分かりますね。
縦波(スパイク)の高さに注目・・・・・
放射線のエネルギーによって、高さが違うのですよ・・・・コレコレ  待望の アナログスパイクです。
GM管は全て同じ高さです。

別のオシロを倉庫から引っ張り出して見てみました。
今度は、50Hzの家庭電源ノイズが入ってしまいましたが、スパイクははっきり見えました。

この高さで、放射性物質が分かるということです。(と自分としては理解)
解析のプロセスは
このスパイクの高さ(放射線のエネルギー)毎に何回検出したかを 記録していきます。
標準では1000秒(約17分)間測定するそうです。測定時間を掛ければ掛けるほど制度は上昇
測定が終わったら
試しに、我が家のホットスポットの土を乗せてみました。

以前ガイガーカウンターで 0.3μSH 程度検出された 雨水枡の上の土です。

見やすくオシロのスキャン速度を上げて表示パルスの数を減らして、まずはバックグラウンドの上画像

次に土を乗せた状態での上画像です。
明らかに、放射線は増えています。
波の高低もクッキリわかるはずです。
波の高さは 放射線のエネルギー
多分、この中には放射性セシウムが含まれているはずです。


リニアアンプの製作

リニアアンプ:電圧の変化を電流の変化に変換する作業です。信号で得られる電流は0.1μA 以下とされていて、他の機器への接続には 電流を増幅する必要があります。
ここでは一般的な OPアンプ(オペアンプ)を使って増幅しました。 

OPアンプの選別となりますが、手持ちは 秋月電子で以前買っておいた代物で 1個25円のものです。

信号は、−側に振れているため、OPアンプの - 側に信号を接続して行います。 インバータ(逆信号処理)処理です。

結果は

色々試行錯誤の結果、どうにか増幅された電流(電圧)捻出しました。上の写真は、BGです。小さな信号は、カットしてあります。


次に、我が家のホットスポットの土を乗せて・・・・出てる

エネルギーの大きい放射線が多数出ています。スキャン時間を短くして測定しています。

では、とiPadのGM管用のソフトに接続して

カウント数が多すぎて、波形になっていないですが、波の強弱ははっきり表示されていますね BG測定

土を測定・・・完全に下の部分が平らになってしまいました。
後日談:マイク入力の自動調整機能をOFFにしてなかったわけですね


簡易解析ソフトにチャレンジしています。

実際に運用時に使用するノートPCにて測定してみました。
上の写真は、ラジウムポールとホットスポットの土をNaIシンチレーターに乗せて測定しています。
おそらくセシウムの山?

ラジウムを取りのぞいてしばらくすると、上の画面です。
なんとなく、それっぽいけど・・・・まてよ
ラジウムは 186KeV  セシウム137は 651KeV 134は 794KeV だから 逆だ


ノートパソコンで気付いた点は、内部雑音が大きすぎるのか???
そこで、他のPCにチャレンジしてみました。
三菱のPC  だめ
エプソンのPC 最初よかったと思ったら、サウンドドライバーsoundMAX がなにか変
富士通のFM-Vは サウンドドライバーがインストールされていなかったことが幸いしてか
良い感じです。

上は、BG(バックグラウンド)です。カウントレートは、約110CPS(1秒間に放射線をカウントしている数)

上は、土(我が家のホットスポット)で、なにやら、怪しげなピークが3個あるような・・・・・もしやセシウム(Cs134?)

ホットスポットの土を調べてみました。
やはり同じヒストグラフになっていました。2011/12/14

上は、ラジウムボール(Ra) 186KeVのために多分、このへんかと???

上は、塩化カリウム(KCl) で、今まで出なかったグラフです。

ネットで見つけた、ホットスポットの土+KCl を解析機関で調査してもらった時のグラフとのことで
それっぽいです。ただし解析機関は ゲルマニウム解析なので桁違いに分解能は良いです。


ネットより

並べてみました。もしや 794KeVでなく 605KeVか?

すこし、それっぽく表示されるようになって来ました。
ただ、レート(放射線エネルギー(KeV表示))では、誤差がかなりあり、約5%前後ずれてしまうので、定かではないですね
OPが1個25円の使っているから、リニア表示できないのかもしれません。


光電子増倍管に磁気シールドを付けることにしました。
巻くのは、アモルファス鉄で以前友人(ラジコン仲間かつNaI等の友人)からもらったものです。

薄くて固い単結晶の鉄です。指が簡単に切れる薄さです。

さて怪我に気をつけてまきますか

今回は怪我をしなかった・・・・・良かったです。
磁気シールドは、ケースとアースしておきます。

測定風景です。今回は、KClと雨樋の土でサンドイッチして、ネットのヒストグラフを作ってみる予定です。
現在 測定中

富士通のFM-V と 高圧電源部とアンプの機械です。電源は USBから取ってます。

内部で USB 5V から 12Vに2個のDDコンバータで 1個は 高圧電源用 で 1000V以上 ここでは1140V
もう一個で、完全にフローティング状態で、信号を音声信号に変換しています。

下の白いのがKCl(日本薬局方品500g) 上が 雨樋の土です。

さて、どうなるか

ちょっと弱いけど・・・・なんとなく


薬袋印刷プログラムにデータ表示機能を追加しました。

比較試料のデータ名をセットして、「試料ヒストグラフ差」をクリックすると

試料1と試料2・・ここでは ホットスポット土+KCl と ホットスポットの土 で比較した 差のヒストグラフです。 
この場合、差の部分が KCl 単独 と一致すれば、なんとなく 測定がちゃんとされているかも??? と思いプログラムしてみました。 

ちなみに BG(バックグランド)とKCLの差のヒストグラフは

だいぶ近いデータとなっていました。ちなみに差のグラフは 青色です。

ただ、横軸の核エネルギーの数値(データ収集時に決まる)を補正する必要があるようです。


上のヒストグラフは、ラジウムボールのデータですが、ラジウムの核エネルギーは約180KeV なので、少し左にずれている。

でも・・・けっこう見えてきたような気がするのは 僕だけか???  2011/12/23(休みなのでかなり進んだ)